爺の登山小史 No39
1975年の正月、松江の山仲間5人で北アルプス、錫杖岳合宿をした。目指すは北沢大滝直登から中央稜へのミックスクライミングだ。初めての北ア冬季合宿に皆張り切っていた。40kg近い荷を担いで、クリヤ谷経由で錫杖沢BCを設営。午後ルートの偵察をする。行けそうな雰囲気に安堵して、BCに戻る。
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重荷を背にクリヤ谷を登るMI君。
1/3 3人が北沢大滝に向かい、2人は沢伝いで本峰往復に出発。大滝登攀は甘くなかった。ハーケンを打ちながら、垂直の岩溝を攀じる。上からチリ雪崩がひっきりなしに落ちて来る。3ピッチ目でハーケンも底を尽き、ボルトを打つが、宙吊りの苦しい体勢で中々高度が稼げない。時計を見たら2時近い。今日はこれまでと、懸垂で下る。雪まみれで3時過ぎBCに帰ったが、本峰組の姿が無い。程なく彼等からの無線が入る。「頂上付近で吹雪の中、下山コースが判らなくなった」と。慌てて救出に向かう。日暮れ寸前、自力で降りてきた二人と合流。ホッとする。
1/4 装備不足と、根性の無さで午前中は停滞。雪の中で盛大な焚き火をする。2人が槍見温泉まで、一日掛かりで酒の買出しに。俺とOは昨日の大滝にフイックスロープを張りに出かけるが、青白い氷壁が続く3ルンゼを見て、計画変更。午後2:30前衛フェース3ルンゼの氷壁にアタック。シモンのアイスバイルがスパッと刺さる快適な登攀だ。F2、F3と雪に埋まった残置ハーケンを掘り出し、ルンゼ側壁の岩にアイゼンをガリガリ言わせながらの苦闘カが続く。気がついたら周囲は夕闇に包まれだした。2/3は越えてたが、またまた懸垂下降で敗退。
1/5 3人で吹雪の中を頂上往復。全ての登攀計画は失敗に終わった。意気消沈でBCを撤収し下山。民宿で飲む酒は苦かった。
by kikunobu111 | 2008-11-07 14:32 | ・爺の登山小史
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