菊信じじいの登山小史 6
あこがれの大学山岳部に喜び勇んで入部したが、現実は甘くなかった。始めのうちはクライミングもちょっと出来るという事で、良い気になってた。新人合宿の谷川岳は一の倉沢出合の新緑の中に、BCを設営。マチガ沢本谷、東南稜等をキックステップで登らされ、上部の急斜面では、足が震えた。帰り道で、数年前遭難死した山岳部の先輩のケルンに寄って、本当に死ぬ事ってあるんだと、ちょっとビビった。そして地獄の夏山合宿!梅雨明け前の土砂降りの中、立山室堂行きのバスを弥陀ヶ原で途中下車して、雷鳥沢出合までの行軍が始まった。我々新人は55kgの荷物だ。当時の俺の体重より7kgも多い。上級生になるにつれて、荷は軽くなる。リーダーは、5~6kgのサブザックとカメラを首に、最後尾をブラブラ歩く。2,3回生がピッケル片手に前後から気合を入れる。初日は何とか、歩きとおした。
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二日目、雷鳥沢の急登が始まる。半分位で、足の力が完全に抜けて、登山道に倒れて、立てない。上級生がピッケルでこずく。「立てよ!こらー!」なんと言われても立てないものは立てないんだ。すれ違う一般登山者が哀れみの眼差しを向ける。当時は、山岳部のシゴキが全盛期で、某大学の新人は集団で夜中に脱走し、道無き道を黒部川を横断して、東京まで逃げ帰ったとか?我々の先輩達にはサデイストは居なかった様で、怒鳴り声は派手だが、ピッケルでつつく位の実力行使しかしなかった。結局俺が歩けそうに無いと判断した先輩達は、俺の荷を分けて運ぶ事になった。空身同然で、剣沢のBCにたどり着いた時は、挫折感と申しわけ無さで、縮んでいた。正面に聳える剣岳がエヴェレストみたいに見えた。
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ハップニングが連発する夏山合宿三日目以降は次回に。
by kikunobu111 | 2007-02-13 12:00 | ・爺の登山小史
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