漫画、菊信じじいの登山小史 3
中学2年の時、友人と熊野の天狗山に登った。今は道も無い市場谷コース。松江市内からバスで登山口の市場へ。ここから美しい小渓谷沿いの山道を辿っていくと、炭焼き小屋が点在している。谷の一番上にある炭焼き小屋の軒下にテントを張り、アタックキャンプとした。土窯では炭を焼いている最中で、暖かい一夜を過ごした覚えがある。
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翌早朝、谷を詰めると、30m近い滑滝が出現。右岸の直登で天狗山山頂を踏んだ。
 中3の夏には、大山全山縦走に挑戦。縦走路では、高度感に目が回りそうになった。地獄谷の駒鳥小屋に着いたら、いかにも山男といった感じのおっさんが3人いた。ニッカーボッカーをはいて、スエーデン製の灯油ストーブで食事を作り、明日は東壁アタックだと言って、ザイルをしごいていた。
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我々は外で、焚き火での飯盒炊さんである。憧れの眼差しで見ていると、彼らはリュックから注射器のセットを取り出し、お互いに注射をし出した。一流の登山家は、疲労回復に注射器まで用意してるんだと、ますます感激して見ていたが、後で考えると、何か怪しい注射じゃなかったかと思う。
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三日目に大休峠に出て甲が山を越え、船上山から山川木地に下った。バスを待つ夏の夕暮れ、地元のお婆さんに頂いた西瓜の味と蝉時雨は忘れられない。(続く)
by kikunobu111 | 2007-01-24 18:46 | ・爺の登山小史
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