毛勝三山縦走 単独行

8/9(土)早朝の富山県、魚津駅に降り立った登山者は俺一人。タクシーで片貝川東又発電所まで6.600円だった。予想はしていたが、キビシー!
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阿武木谷に入ってすぐ左の樹林帯が西北尾根登山口。ここから標高差1.700mの急登が続く。背中の15kgのリュックが年寄りには応える。軽量化の努力はしたが、4Lの水、缶ビール、ウイスキーは外せないのだ。余りの急斜面で至る所にロープが固定されている。この登山道は作られてそんなに年数は経っていない。ダブルストックに助けられて炎天下を汗でボトボトになりながら登る。
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東又谷対岸に聳える僧ガ岳?
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お昼は鱒寿司、これは美味かった!樹林帯の中は虫が多いが、「ハッカ油」の効果は絶大で全然刺されない。2.000m過ぎて池溏が点在するお花畑になりパワー回復!上から5人ほどの登山者が降りて来た。最盛期の週末だと言うのに、他に人に会う事は無かった。
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7時間かけてたどり着いた毛勝山(2.414m)で。
荷物を置いて、縦走コースを下見する。頂上から道は完全に消滅して、這い松の生い茂った稜線が霧の中へ消えていく。ちょっと心細くなり逡巡するが、行くしか無いだろう!と意を決して藪に突入。
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(何でこんなコースを選んだかと言うと、中学生の頃、山登りにのめり込むきっかけになった本の一つが「山と渓谷・日本アルプスと秩父巡礼」田部重治・岩波文庫版だった。田部は明治43年8月、友人の木暮理太郎と毛勝山~剣岳の初縦走を果たしている。勿論ガイドとして宇治長次郎、源次郎、金作など、今もアルプスの谷などに名前を残す人達の助けがあったからだが。毛勝山、釜谷山などの命名も田部によってなされた。田部の歩いたコースを辿りたい。北アルプスで今でも明治時代と変わらぬ自然な姿を保っている縦走路なんて、ここ以外には無い。) 這い松漕ぎをしてると、かすかに踏み跡らしき物がある。途中から黒部側の草付きを巻くようになり、地面を仔細に観察すると、人の(もしかしたら熊の?)通った跡がある。毛勝と釜谷山のコルに降りると、雪渓が残り、その少し上の草地にテントを張る。登山口から9時間。
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右奥が毛勝山
草地は少し黒部側に傾斜していて、夜中に転げ落ちないようにテントをペグでしっかり止める。周りは高山植物が咲き乱れ、毛勝三山独り占めだ。ビールとウイスキーの酔いにボーッとしながら暮れていく後立山連峰を眺める。
8/10(日)夜中に降ったらしい雨に濡れたテントを畳んで、5:20出発。釜谷山への登りは長かった。
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右が釜谷山、雪田のあるピークが猫又山、奥が剣岳。
稜線は這い松、岳樺、笹などが生い茂り猛烈な藪コギだ。時々黒部側の草付きに出ると早く進める。這い松のやにの匂いを嗅いでるとドライジンが飲みたくなった。
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ハクサンイチゲ
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釜谷山頂(2415m)風雪にさらされた標識は骨董品の味があります。
ここから2重山稜の間の溝みたいな所を下り雪渓を歩きます。
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ニッコウキスゲと遠くに鹿島槍。
コルへの下りはひどい急斜面だった。猫又山頂までの登りも判り難い。急な草付きで行き詰って引き返したり、どーもルートが判然としない。何とかなるさと、猛烈なヤブの直登。ヤブを抜けて雪渓を横切ったら山頂だった。キャンプ地から2.5時間。思ったより早かった。山中2泊の計画だったがこの調子なら、今日中にに下山だ。
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山頂より、踏破したコースを振り返る。
猫又山は馬場島からの登山者もボチボチあり、道も整備?されている。行程にゆとりも出たので剣岳を水彩スケッチ。
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ブナクラ峠への600mの下降は整備はされているが、ものすごい急降下。皆さん良く登るわ!
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峠から猫又山の登り道を仰ぐ。
又しても気の狂うような炎天下を、馬場島まで長い長い下降が続く。最後にアブの群れに襲われ、1km近く全力疾走をさせられた。馬場島からバスの便が無く、嫌な予感がしたが、風呂で一緒になった単独の登山者の車に便乗出来て、富山駅まで送って貰った。ラッキーでした。
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★今回の登山で気に入った装備。
1)靴はハンワグのクラックセイフテイ、軽いしソールが硬いので、雪渓でもアイゼン無しでバンバン歩ける。
2)水はプラテイパス2(2.5L)、リュックの隙間に自在に押し込める。
3)テントはアライ、エアライズ1(単独行の強い味方です。)
4)リュックは古いグレゴリー50L、軽くて使い易い。
6)ストックはレキの旧マカルー、最高です。
7)マットはカスケードのリッジレストを80cmに切って持参(これで充分)
8)ヘッドランプはペッツル、グッドです。
by kikunobu111 | 2008-08-12 09:04 | 店主のプライベート
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