菊信じじいの登山小史 No5
高校2年の夏だったか?初めて大山北壁に単独で挑戦!(と言っても、一番易しい弥山沢だ。)登山の雑知識は一丁前だったが、肝心の体力と、度胸には、全く恵まれていなかった俺としては、ビッグチャレンジだった。車に弱かった為、大山寺でバスを降りた時は、既に胃の内容物を全て吐き出し、青い顔で足元もよろめいてたと思う。それでも観光客で賑わう大山寺の参道を、カッコつけて登って行った。その日の北壁は静かで、夏空が広がっていた。
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イラストで見ての通り、学生服に高校の制帽、母親のウールのパンツを改造したニッカー、ニッカーホースは高価だったので、野球のストッキング、履物は、近所の下駄屋のおばさん推薦の農作業用地下足袋。これは現在のクライミングシューズみたいに軽く、足裏感覚は抜群だが、大山の泥壁相手では、エッジングが全く効かない。そこで、親父の目を盗んでちょろまかした園芸用片手つるはしが役立った。その頭が飛ばない様に、厳重にクサビをかませ、ガストンレビュフアがやってた様に紐で手首に括り付けた。登攀は順調で、時々つるはしで、足場をこさえながら、慎重に高度を稼いで行った。(これまで松江近郊の崖でやったトレーニングの成果か?)最後は別山の方に寄って行き、9合目付近で夏道に出て、一大冒険登山は終わった。
by kikunobu111 | 2007-02-02 09:14 | ・爺の登山小史
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