爺い達のMt.Toriglav(Slovenija)登山
8/28~9/6
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今年の当店主催の海外ツアーは、ヨーロッパにしたが、目指す山を見つけるのに悩んだ。体力,登山経験ありだが、岩登り経験は少ないメンバーが登れる山ということで、色々調べた末、スロベニアのユリアン・アルプスにある「トリグラフ山2.864m」に白羽の矢を立てた。
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平均年齢70歳代のチームは春から難コースの登山、初級クライミングの訓練を何度もして遠征に備えた。航空券の購入、宿の手配、ガイドとのメールでのやり取り、と、落ち着かない日々が過ぎて、
8/29   15時間近いフライトでスロベニアの登山基地「ブレッド」に到着。あらかじめ雇ったガイドに「好天は去りつつあり、明日一日しか登山チャンスは無い。」と告げられ一瞬目の前が暗くなるが、それに従うしか無い。
8/30  時差ボケで一睡も出来ない夜が明け、車で登山口へ。
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石灰岩の白い大岩壁に囲まれた氷河地形のU字谷を辿る。
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途中で放牧牛の水飲み場の水をガブ飲みした一人が、以後激しい下痢になったり、色々なエピソードを重ねながら、
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高度を上げていく。登山口から頂上までの標高差2.000m。
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遠く望む稜線に厚い雲が掛かりだした。5時間半かかって標高差1.600m登り、「Kredarica小屋」に到着。
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ガイドに、「後1~2時間で雷雨が来る。全速力で登る必要があるが、OKか?」と言われる。今、午後3時。かなりバテているが、この機会を逃したら、遠路はるばるここまで来た甲斐がない。「OK!」ということで目の前の岩壁に立ち向かう。
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ガイドのマテブ君(28才)、アイスクライミングのワールドカップ入賞者で、クライミング・ワールドカップのトップ「ヤンヤ・ガンブレッド」のクライミング仲間だ。アンザイレンした我々は、猛スピードで登るガイドに引っ張られ、ヒーヒー言いながらついてゆく。マラソンのラストスパートが延々と続く状態だ。それも斜度60~80度、ヴィアフェラータとは言え、殆ど岩壁登攀だ。
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たとえて言えば、剣岳の「カニの立て這い」が300m以上続いてる。前衛峰を登りきると、今にも降りそうな空の下、本峰が雲の中に聳えている。案の定、雨がヘルメットをたたき始めた頃、小屋から1時間40分で登頂。
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頭上で雷が鳴りだす。1分も居ただろうか?急き立てられる様に下山開始。雨は激しさを増し、雷鳴に命の縮む思いで、急峻な岩場を駆け下る。
★写真を撮る余裕も殆ど無かったので、好天の日の他人の写真を載させて貰う。
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晴れていれば、こんなに素晴らしい景観を味わいながら登れたんだが。午後6時半、陽が沈む前に小屋に帰った。
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疲れ切って食事も喉を通らないが、祝杯のビールはグイグイ飲めた。
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世界共通の山小屋風景。一日の苦労話に花が咲く。
8/31  爆睡の朝、やはり外は霧雨が降っている。
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ノンビリ下山路を辿る。
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翌日から降ったり止んだりの鬱陶しい天気が帰国前日まで続いた。喰うことと観光の毎日。
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美味いステーキ。
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ブレッド湖と城。
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滞在した宿のキッチンで皆で料理。
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ブレッド城で。中世の猟師さんと記念撮影。
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雨が上がってハイキング。
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この国の農村の美しさ。どこを取っても絵になる風景だ。
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国境を越えてイタリアに入る。EU圏内は国境が無い。
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本場のパスタ。
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最終日になったら天気回復。皮肉なものだ。首都、リュブリャナにて。
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中世の面影を残した美しい街並み。
パリのドゴール空港に着いたら、関空がヒッチャカメッチャカで、帰りの飛行機は無いと告げられ衝撃を受けるが、広い空港内をたらい回しされた末、JALの羽田便に空席が見つかった。過去にも何度も経験してるが、海外登山はトラブルがあるのが当たり前ということで、納得して帰国。
★スロベニア最高峰のトリグラフ山は、未だ日本では馴染みでないし殆ど登られていないが、素晴らしい山です。近い将来、登りに行く人が増えると確信しています。ある程度の体力があり、高所恐怖が無ければ、二日間で登れる山です。(好天が条件)。又この山の北壁は標高差1.000mの石灰岩壁で、この国が世界一のクライマーを輩出している訳が解ります。

by kikunobu111 | 2018-09-08 18:24 | イベントレポート
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